無線LANの近接通信仕様「Wi-Fi Aware」が、2016年にもスマートフォンに搭載される。Wi-Fi Awareは、米Apple社の「iBeacon」のWi-Fi版にも見えるが、多対多による双方向通信ができる点が大きく異なる。ヒトとヒトだけでなく、ヒトとモノ、モノとモノの通信を活性化しそうだ。

イラスト:Getty Images
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 片方向通信から双方向通信へ。米Apple社の「iBeacon」で一気に注目が集まった近接通信が2016年、さらにその活躍の場を広げそうだ(図1)。

図1 ビーコンが双方向に
これまで片方向にIDを発信するだけだったビーコンが双方向になることで、SNSなど緩やかにつながるサービスでの活用が可能になる。
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 近接通信とは、インターネットのように広域にいる不特定多数同士ではなく、近い位置にいる機器間でデータをやり取りする通信形態である。iBeaconは、ビーコンモジュールと呼ばれるBluetooth Smart(Bluetooth Low Energy)発信機が周囲にいる機器にデータを送るというもの。具体的には、ビーコンモジュールから、IDを載せたビーコンフレームを送信する。このビーコンフレームの受信範囲にある端末が、これを受信すると、このIDに関連付けられたアプリが起動し、このIDに応じた動きをする。

 例えば、店舗にビーコンモジュールを付けることで近傍にいる顧客にバーゲンセール中であることを知らせたり、バスの停留所内にビーコンモジュールを組み込んでバスの接近を周囲に知らせたりするといった使い方ができる。

 ただ、iBeaconは片方向通信であるため、機能的な制限も多い。例えば、ショッピングモールや遊園地で子供にシール型のビーコンモジュールを持たせ、迷子の子供を捜すといった使い方を考えてみる。ビーコンモジュールからのビーコンフレームを施設内の複数の受信機で受信するとしよう。この場合、迷子の子供を発見するだけではなく、このモジュールに対して信号を送り、子供に注意を喚起する使い方をしたいが、iBeaconの仕組みだけでは実現できない。

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