研究開発の歴史だけは約20年と長い無線のメッシュネットワークだが、なかなか満足に動作せず、利用例は少なかった。それが最近になってさまざまな無線通信技術に“動作する実装”が進み、急速に普及し始めた。「端末間通信ネットワーク」といったまったく新しい無線通信の用途も登場しつつある。

 無線LAN(Wi-Fi)やBluetooth、Wi-SUN、さらにはメーカー独自仕様のさまざまな無線通信技術が急速にメッシュネットワークへの対応を進め、無線としての姿を大きく変えつつある(図1、図2)。これによって、これまで電波の出力規制などに縛られていた無線の実質的な通信距離が大幅に伸長する上、無線の機動性や柔軟性が飛躍的に高まる。これまでになく斬新な無線の使い方が続々と増えていきそうだ。

図1 簡易な移動体通信網のように使える
メッシュネットワークの技術的ポイントと主なメリットを示した。Wi-Fiの場合、複数のAPに1つのIDを持たせ、端末からは1つのネットワークに見えるなど、簡易な移動通信網のように利用可能になってきた。
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図2 メッシュネットワークがついに離陸へ
約20年にわたる、メッシュネットワークの標準化や商用化の動きを示した。早くからZigBeeやZ-Waveで小規模なメッシュネットワークが使われていたほか、2010年以降は、「Wi-Fi Direct」対応の製品が増えている。ただし、マルチホップ機能はほとんど使われていなかった。2016年以降、ようやくマルチホップ機能をうたうWi-Fi製品が活躍し始めた。
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