CEATEC詳報の後編では前回に引き続き、要素技術に焦点を当てる。IoTの出力先となるロボットやディスプレー、IoTシステム全体を支える受動部品や通信の分野で特徴的な展示を解説していく。前回はこちら

ロボット
人の感情に訴えるロボット

 IoTシステムの出力先として、各社が展示していたのがコミュニケーションロボットである。人と会話するロボットは単に情報を出力できるだけでなく、物理的な存在感があることが大きな利点である。この性質を生かして、人の感性や感情に訴えることができるロボットを複数の企業が展示していた。日本でも販売ラッシュが始まったAIスピーカーのような各種システムのユーザーインターフェースの枠を超えて、会話による認知症の検知や、幼児教育、リラクゼーションなど、個別の応用事例を想定したロボットが出展されていた。

会話から認知症の兆候検知

 日立製作所は、主に高齢者を対象に開発中のコミュニケーションロボットを展示した(図1)。継続して会話できる飽きないロボットを目指しているという。継続的に会話することで、ユーザーが以前と比べて忘れっぽくなったり、同じ言葉を繰り返したりするなど、認知症の兆候を検出できると期待する。

 会話を長続きさせるために、「非言語コミュニケーションに重きを置いている」(ブースの説明員)という。ロボットがユーザーと同じ表情をしたり、同じ方向に視線を向けたり、ユーザーの言葉に対してうなずいたりすることで、ユーザーの発話を促す。展示では、ロボットに取り付けたカメラから前に立つ人の顔画像を取得し、その人と同じ表情を表示するデモを見せた。「会話を続けさせるためには、ロボットの表情の変化の自然さや、適切に会話の間を取ることが肝になる」(ブースの説明員)。

図1 日立製作所のコミュニケーションロボット
ロボットの下に搭載したカメラで人の表情を認識して、ロボットが表情を変える。
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