ドイツDaimler社は2017年8月、「メルセデス・ベンツ」ブランドの高級セダン「Sクラス」を部分改良して日本で発売した(図1)。最大の目玉は、縦列駐車や並列駐車が可能なリモート駐車支援機能を搭載したこと。車両の前後に配した12個の超音波センサーを使って検知した駐車スペースに、降車してからスマートフォンを使って遠隔操作で車両を駐車できる(図2、3)。

図1 Sクラスのリモート駐車支援機能を用いた縦列駐車の例
(a)駐車支援機能の起動ボタンを押して、超音波センサーによって駐車可能な空きスペースを探す。(b)空きスペースが見つかったら、駐車形態としてリモート駐車支援を選択し、シフトをパーキングに入れて降車。(c)〜(f)スマホのアプリを使って遠隔で車両を縦列駐車させる。
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図2 専用アプリ「Parking」のアイコン
スマホにはリモート駐車支援機能用の専用アプリを入れておく。
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図3 スマホと車両の通信にはBluetoothを使用
Bluetoothが有効になっていないときは警告が出る。車両から降りて3m以内であれば操作できる。
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 降車して数m以内の場所から遠隔操作で縦列駐車や並列駐車を行えるクルマ─。これまで日本で市販されている車種には、そうしたものは存在しなかった。正確に言うと、リモート駐車支援機能を搭載する車種はあった。米Tesla社の「モデルS」「モデルX」やドイツBMW社の「5シリーズ」「7シリーズ」である(表)。たが、これらはステアリングの操作があまり必要とされない車庫入れや車庫出しが対象。車両の進行方向を大きく変えたり切り替えしが必要だったりする縦列駐車や並列駐車には対応していなかった。遠隔操作で縦列駐車や並列駐車を行えるクルマは、日本では今回のSクラスが初となる。

表 日本で販売されているリモート駐車支援機能搭載の主な車種
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 遠隔操作で駐車を行う最大の利点は、乗り降りしにくい、あるいは乗り降りできない狭い場所でもクルマを駐車できるようになることである。クルマを駐車スペースに入れる前や駐車スペースから手前に出した後に、空間的に余裕のある場所で、乗員が乗り降りしたり荷物を出し入れしたりすることが可能になり、快適性も高まる。

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