「トヨタ流人づくり 実践編 あなたの悩みに答えます」では、日本メーカーの管理者や社員が抱える悩みに関して、トヨタ自動車流の解決方法を回答します。回答者は、同社で長年生産技術部門の管理者として多数のメンバーを導き、その後、全社を対象とする人材育成業務にも携わった経歴を持つ肌附安明氏。自身の経験はもちろん、優れた管理手腕を発揮した他の管理者の事例を盛り込みながら、トヨタ流のマネジメント方法を紹介します。
悩み
もっと上司から評価されないものかと悩んでいます。自分では頑張って積極的に改善提案をしているつもりなのですが、上司にはあまり受け入れてもらえない気がしています。プロジェクトリーダーのような重要な役を任されることもなく、自分は軽んじられているのではないかと疑心暗鬼になるときすらあります。上司に一目置かれるためには、どうしたらよいでしょうか。

編集部:周囲から「一人前」と認められるようになると、上司からの評価が気になってくるもの。前向きな提案を積極的に行っている人の場合はやる気に満ちあふれている分、上昇志向も高い傾向があると思います。上司から一目置かれる部下になりたいという気持ちも分からないわけではありません。

肌附氏—前回(2017年9月号)でも触れましたが、上司からの評価が気になるというのは、組織で働く人間が持つ普遍的な悩みだと思います。上司に評価してほしいと積極的に思う人は、自分の能力や成果に自信がある場合が多いのではないでしょうか。自分は上司からの評価なんて気にしないなんてクールに構えているよりも、私が上司であれば、むしろそのモチベーションの高さを歓迎したいほどです。

 ただし、これも前回述べた通りですが、「上司が自分を信頼してくれないと文句を言っているうちは、上司からの信頼はなかなか得られない」という“法則”もまた変わりません。

編集部:今回の悩みは「上司に一目置かれたい」ということなので、信頼されたいというよりも、高い水準の望みです。乗り越えるべき壁は高そうです。

肌附氏—ええ、簡単ではありません。前回、私は上司から信頼されないと不満を口にする人に、「上司が信頼してくれないとあなたは言いますが、あなた自身は上司に信頼してもらえるような行動を取っていますか」と返すと言いました。上司に一目置かれたいと望むなら、しかるべき行動を見せる必要があります。

編集部:どのような行動なのでしょうか。

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