2017年を振り返ると、電動化の年だったといっていいでしょう。あちこちの展示会やセミナーで「Electrification」や「Electrical」の文字を見かけました。電動化の勢いは、2018年もますます盛んになると見ています。

 顕著なのは言うまでもなくクルマです。補機類など周辺部品の電装化から始まったクルマの電動化は、今や駆動システムなど「走る、曲がる、止まる」の基幹部品に及ぼうとしています。もっともそれで、電気自動車(EV)が出来上がれば電動化は完了、というわけではありません。「電動化=EV」ではないからです。

 そこで日経エレクトロニクスでは、機械の置き換えにとどまらない電動化のシナリオを「フル電動化」(All Electric)と称し、2018年はクルマ以外へのフル電動化の広がりと、それを支える先端技術を追いかけていきます。特に注目しているのは、電気飛行機などモビリティー(移動手段)です。飛行機はクルマをたどる格好で補機類の電装化などから電動化が進みつつあります。2017年11月には仏Airbus社と英Rolls-Royce社、独Siemens社が、ガスタービンエンジンの一部を電気モーターで置き換えるハイブリッド電気飛行機の飛行実験機を共同開発すると発表しました。さらにその先には空調システムなども含めたフル電動化が期待されています。こうしたモビリティーのフル電動化をテーマとした特集を2018年中にお届けする予定です。

 フル電動化を支える先端技術として注目しているのは通信です。既にコネクテッドカーとして、つながる(Connected)ことで快適性や安全性を高める取り組みが始まっていますが、あらゆる機能がフル電動化で一体化すれば、通信によってもたらされる付加価値は、飛躍的に高まるでしょう。

 あまたある通信技術の中で、2018年から商用サービスに向けた本格的なモノづくりがスタートするのが、5G(第5世代移動通信)です。2018年2月に開催予定の2018年平昌オリンピックは、5Gプレ商用サービスが初めて披露される公の場として期待しています。

 もっともクルマの電動化がそうだったように、実用化の際には高いハードルが健在化してくるはずです。それを解決するのは高度なAI(人工知能)技術かもしれませんし、画期的な素材・部品、あるいは新発想の実装技術かもしれません。2018年も日経エレクトロニクスは、さまざまな先端技術を追究して参ります。どうぞよろしくお願いします。

出典:2018年2月号 p.9 日経エレクトロニクス
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