私的AI成長史
 2015年1月の誌面刷新以来、IoTのゴールは情報技術で現実を作り変えることであり、そのためには高度な人工知能(AI)が必要と考えてきました。16年6月号では、AIはいずれ体を持ち「超人」に成長すると書きました。その基盤技術が今号の特集テーマです(Breakthrough「人工知能『超人』へ」)。思えば30年近く前、自分が記者を志したのは最新のAI技術を幅広く知りたいがためでした。冬の時代を経て、ぐんぐん育つAIの現状は胸に迫るものがあります。願わくば自分も負けずに成長していければ。(今井)

「本物」か「偽物」かは確定しない
 最近の新しい“量子コンピューター”を巡る真贋論争には「またか」という思いです。というのも、カナダD-Wave Systems社のマシンについて、2007~2013年の約7年間、主に米国で続いた激しい論争を知っていたからです。学術的な論争ならよいのですが、研究者でさえ、量子コンピューターについて自らの定義を明らかにしないまま「D-Waveはインチキだ」と断言する例が目立ったのは残念でした。結局、結論は定義次第。今回の“量子コンピューター”の特集には、そんな不毛な論争が早く終わってほしいという願いもこめたつもりです。(野澤)

トヨタの洞察力を試すEV
 電気自動車(EV)に慎重な姿勢を崩さなかったトヨタ自動車が態度を変えたように見えます(Emerging Tech「電池開発はクルマがけん引、トヨタがフル電動化に本腰」)。しかし同社のEVへの見解を拾うと、20年ほど前にハイブリッド車(HV)「プリウス」を発売したころから大きく変わっていません。電動車両の主流はHVで、この技術開発がEVや燃料電池車につながるというもの。同社の見立ては、正しかったと思います。ところでEVの基幹部品である電池については、有力な次世代候補を全固体電池と定めました。同社の洞察は、いずれ検証でき、その時期は20年後と言わず、数年後かもしれません。(三宅)

出典:2018年2月号 p.98 日経エレクトロニクス
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