試作した新しい回生スナバ回路(写真:パナソニック)
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 パナソニックと神戸市立工業高等専門学校は、電力変換器のスイッチング時の電圧サージ(瞬間的に発生する高電圧)を抑制する新しいスナバ回路を開発し、2017年8月開催の「平成29年電気学会産業応用部門大会」で発表した。電圧サージを回生する「回生スナバ」の一種である。電圧サージを抵抗で熱として取り除く「RCDスナバ回路」に比べて、スナバ回路で発生する損失(スナバ損失)を削減し、電力変換器の効率を高められる。

 パナソニックらの試算では、新しい回生スナバ回路を同社独自の単相の双方向DC-AC変換器「GAP-D3」の出力25kW品に適用した場合、RCDスナバ回路に比べてスナバ損失を96%削減できるとの結果を得た(図1)。

図1 電圧サージを回生して効率向上
パナソニックなどは、電力変換器で発生する電圧サージを回生できる新しいスナバ回路を開発した。電圧サージを抵抗で熱として取り除いていたRCDスナバ回路に比べて、スナバ回路で発生する損失(スナバ損失)を削減し、電力変換器の効率を高められる。開発品を同社独自の単相の双方向DC-AC変換器「GAP-D3」に適用したところ、RCDスナバ回路に比べて、スナバ損失を96%削減できた。この結果、電力変換効率は0.9ポイント改善した。なお、(b)はシミュレーションの結果である。(図:パナソニックの資料を基に本誌が作成)
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 損失が小さくなる分、発熱量が減るのでヒートシンクが不要になり、サイズとコストを大幅に削減できる。例えば、GAP-D3の25kW品向けにRCDスナバ回路と回生スナバ回路を試作してサイズとコストを比較したところ、RCDスナバ回路に比べて回生スナバ回路では、サイズを約93%、コストを約63%削減できた(図2)。

図2 サイズ9割減、コスト6割減
今回の回生スナバ回路では、スナバ損失が小さくなった分、RCDスナバ回路に比べて発熱量が減り、ヒートシンクを不要にできた。実測して比べたところ、回路サイズを約93%、コストを約63%削減できた。(図はパナソニックの資料を基に本誌が作成)
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