今回の技術を開発したITMO UniversityのNikolay Petrov氏(左)とITMO大学およびTampere University of TechnologyのIgor Shevkunov氏(右)(写真:ITMO University)
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 コンピューターによる演算で、光線の記録および再現方法を再構成し、今までのカメラでは不可能だった撮像機能を実現する技術「コンピュテーショナルフォトグラフィ(CP)」が急速に進展している。3000年近いレンズの歴史と、200年近い写真の歴史が大きく塗り替えられる撮像革命といえる。

レンズレスでCPが開花

 CPの技術は多岐に渡るが、最近の大きなトレンドは従来の光学レンズを使わないレンズレス化という方向だ。撮像素子の大幅な薄型化が最初のインパクトだが、本当の衝撃はそれにとどまらない。

 レンズの役割は、撮影対象の各点から出る光を同位相で一点に集めることで結像させる、つまり人間が映像を認識可能にすることである。ところが、この機能によって失われる情報もあった。光の波の位相情報、つまり経路情報である。レンズが1個または1組であれば経路情報が失われた結果として、映像は2次元になる。

 以前からある立体映像の撮影技術は、レンズを複数あるいは多数利用することで経路情報を一部回復することを狙った技術である。レンズレスカメラは、その多数のレンズの数を増やしながら口径を極限まで小さくした、一種のピンホールカメラアレーともいえる技術である。光線の経路を直接記録して再現するデジタルホログラフィー技術とも近い。

 こうして、従来のレンズの制約から離れることで、光線の詳細な経路情報が回復する。そして、その情報をCPで処理することで、これまでなかったさまざまな撮像技術の実現が可能になりつつある。

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