空スペース(本社東京都小金井市)は、これまでの常識を覆す転がり軸受「ADB(Autonomous Decentralized Bearing、自律分散式転がり軸受)」を開発した。その最大の特徴は、転動体の間隔を保つための保持器がないこと。保持器と転動体の接触による摩擦抵抗がなくなるため、条件によっては全体として回転に対する抵抗を1/14に減らせるという実験結果も得られている。潜在用途は全ての軸受と言っていいほど幅広く、既存の軸受メーカーにとっては脅威となる技術といえそうだ。

 空スペース(本社東京都小金井市)が開発した転がり軸受「ADB(Autonomous Decentralized Bearing:自律分散式転がり軸受)」は、転動体の間隔を保つための保持器がない(図1)。そのため、保持器と転動体の接触による摩擦抵抗がなくなり、全体として回転に対する抵抗を大きく減らせる。従来品に比べて摩擦抵抗を少なくとも1/2、条件によっては1/14に減らせるという実験結果も得ている。従来の転がり軸受では常識だった保持器をなぜなくすことができたのか、その仕組みと効果について解説する*1

*1 これまでも総ころ軸受など、保持器のない軸受はあった。限られた軸受径で大きな荷重を受けようとする場合に使われる。ころ同士が当たるため、回転数、寿命などをある程度あきらめた特殊な使い方をしていた。

図1 保持器のない転がり軸受
サンプル販売を開始したアンギュラ玉軸受標準品は、外径22mm、内径8mm、幅7mmで、内外輪はSUJ2製、玉はセラミックス製(a)。転動体の間隔を保つ保持器がない。転動体の公転速度を減速させる領域(DSP)を設けることで、転動体同士の間隔を広げる(分散させる)(b)。なお、転動体同士が接触するとしても、負荷が加わっていない場合に限られる。
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