「ダウンサイジング」の次にドイツ勢が力を注ぐのが、高圧縮比化とミラーサイクルだ。日本追従に見えるこの方針は、ドイツ勢が厳しい立場にあることを物語る。日本勢は、はるか先を行く超希薄燃焼への道筋を見出し始めた。ドイツ勢は“飛び道具”を揃え、高圧縮比化を追求する。雌雄は2020年頃に決する。

 「(ガソリンエンジンは)排気量を必ず増やすことになる」――。

 マツダでエンジン開発を統括する常務執行役員の人見光夫氏(インタビュー参照)が語ってきた通りに世界が動き始めた(図1)。

図1 日本がドイツを突き放す
VW社の次世代直噴ターボガソリンエンジンの設計方針は、日系メーカーがよく使う技術に近いものだった。ミラーサイクルと組み合わせて圧縮比を高める。一方、日系メーカーが2020年頃の実用化を狙うのが、超希薄燃焼だ。エンジン熱効率を一気に45%近くまで高める。
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 ドイツVolkswagen(VW)社が次世代の主力ターボガソリンエンジンとして、「EA211 TSI evo」を2016年第4四半期に投入する(図2)。最大の特徴が、排気量を現行の1.4Lから1.5Lに増やすことだ。

図2 VW社の次世代主力ガソリンエンジン
直列4気筒の直噴ターボガソリンエンジン。排気量を従来の1.4Lから1.5Lに増やした。気筒の内径(ボア)は従来と同じだが、行程(ストローク)を長くして排気量を増やしている。ミラーサイクルを採用し、圧縮比を12.5に高めた。世界初の電動VTGターボや、噴射圧を35MPaに高めた直噴インジェクターを新しく採用する。
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