「人手によるセル生産方式の生産性改善に限界を感じていた。この協働ロボットの導入で、生産性が高まった」(日立アプライアンス生産技術部生産技術グループ統括主任技師の柳瀬誠治氏)─。

 日立アプライアンス(本社東京)は、デンマークUni versal Robots社(以下、UR社)の協働ロボット「UR10」を多賀工場(茨城県日立市)に導入した。2台のUR10を利用して、家庭用炊飯器「おひつ御膳」(型名:RZ-WS2M)の内蓋を造っている(図1)。

図1 炊飯器と内蓋
家庭用炊飯器「おひつ御膳」(型名:RZ-WS2M)の外観(a)。協働ロボット2台を用いて、この炊飯器の内蓋を組み立てている(b)。以前は人手によるセル生産だったが、生産性の向上と作業者の負担軽減を目指した。
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 以前は2人の作業者がセル生産で同炊飯器の内蓋を組み立てていた。作業効率を高めるべく改善活動を繰り返してきたが、手作業での限界が見え始めた。そこで、さらに生産性の向上を目指すとともに、生産スペースを小さくするために協働ロボットを導入したという。

 それまで人が作業していた現場に専用自動機を導入すると、安全柵の設置が必要になり、生産ラインが長くなってしまう。加えて、大きなレイアウト変更も伴うため、立ち上げに長い時間を要する。

 そこで白羽の矢が立ったのが、柵なしで利用できる協働ロボットだった。従来の人によるセル生産並みの生産スペースに抑えながら、4カ月という短期間で自動化ラインを立ち上げることができた*1

*1 日立アプライアンスは協働ロボットの導入に際し、エリアセンサーを設置している。人がロボット周辺のエリア内に侵入すると、ロボットの動作が停止する。当初は安全柵やエリアセンサーを設けないつもりだったが、ロボットハンドなどが作業者の顔にぶつかる危険性を考慮した。

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