質量エネルギー密度を200~300Wh/kgに高めた第2世代の車載用リチウムイオン電池(LIB)。2017年以降、その搭載が本格化しそうだ。背景には、電気自動車(EV)の満充電1回当たりの航続距離や、プラグインハイブリッド車(PHEV)のEV走行距離(エンジンを回さずにモーターだけで走れる距離)を延ばしたいという完成車メーカーの意向がある。

 しかも、多くの完成車メーカーが目指すのは、500万円未満のより大衆的なクルマでそれを実現すること。電池を搭載するスペースも電池に掛けられる費用も高級車と比べて少ない大衆車では、エネルギー密度を高めた第2世代のLIBは重要な存在と言えそうだ。

 実際、米GM社は、航続距離を238マイル(EPA、約383km)に延ばしたEV「Chevrolet Bolt EV」を2016年末に米国のカリフォルニア州とオレゴン州で限定して発売した(図1)。価格は3万7500ドル(1ドル=111円換算で約416万円)。2017年には、その発売対象を米国のその他の州にも拡大する。搭載するのは、韓国LG Chem社の第2世代LIBと見られる。

図1 2017年以降に航続距離を延ばしたPHEVやEVが相次いで投入へ
Chevrolet Bolt EVは、米国における本格的な発売は2017年だが、カリフォルニア州とオレゴン州では2016年内に発売している。次期リーフの発表時期、航続距離、実質価格は本誌予測で、同写真は現行のもので代用した。価格の1ドルは111円で換算した。
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 米Tesla社も、航続距離が215マイル(EPA、約346km)の新型EV「モデル3」の生産を2017年7月に開始する。パナソニックの第2世代の円筒型LIB「2170」の搭載を予定する。また、EVで先行していた日産自動車はEV「リーフ」の次期モデルを2017年内に発表しそうな気配。航続距離は350~400kmとなる可能性が高い。

 一方、PHEVを「これからのエコカーの大本命」(トヨタ自動車会長の内山田竹志氏)と位置付けるトヨタは、EV走行距離を先代の26.4km(JC08)から2倍超の68.2km(同)に延長した新型PHEV「プリウスPHV」を2017年2月に日本で発売。搭載するのはエネルギー密度を従来品から約20%高めたパナソニック製のLIBで、これも第2世代品と見られる。

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