宇宙空間を電気の力で推進するイオンエンジンを実現し、2003年に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ」に搭載。その技術は2014年に打ち上げられ、小惑星「Ryugu」へ2018年半ばに到達予定の「はやぶさ2」にも引き継がれた。はやぶさからはやぶさ2へとイオンエンジンの技術を維持、継承するためには、さまざまな努力が必要だった。

 技術は生み出すことも大事ですが、それを維持することも大事です。1度は役に立っても、その技術がなくなってしまったら、再度役立てたいと思っても使うことができません。1機関や1企業の努力だけで技術を維持するのは困難で、世の中のニーズにマッチさせなければ残すことは難しいのではないでしょうか。

 小惑星「Itokawa」からサンプルを持ち帰った探査機「はやぶさ」の打ち上げから、次の「はやぶさ2」の打ち上げまで11年。その間、探査機を推進するイオンエンジンの技術を維持するために、さまざまな手を打ちました。

くになか・ひとし
東京大学大学院博士課程修了、工学博士。1988年宇宙科学研究所に着任、2005年同教授、東京大学大学院航空宇宙工学専攻教授兼任。2011年、月・惑星探査プログラムグループディレクター、2012年「はやぶさ2」プロジェクトマネジャー。宇宙探査イノベーションハブ ハブ長。(写真:尾関裕士)

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