電気抵抗がゼロになる超電導技術には大きな期待が持たれているが、実質的には応用例はまだリニアモーターカーとMR(I 磁気共鳴画像)装置ぐらいという。それを直流電化の在来線の送電(饋(き) 電)に応用し、エネルギー効率を大きく高めようとする研究が進んでいる。超電導ケーブルの製作に当たっては、さまざまな分野の問題解決に取り組まなければならなかった。

 実生活で役立つものは、基礎理論だけでは造れません。もちろん基礎理論は不可欠ですが、それを応用しようと思ったらあらゆる分野の活動が必要になります。自分は基礎理論が専門だから、あるいは専門の応用分野があるからと縦割りにしていては、ものにはなりません。

 例えば、超電導材料を研究するだけで、電気抵抗ゼロのケーブルが出来ると思ったら大間違い。現実には材料力学、機械力学などあらゆる知見が必要です。我々の研究室は鉄道総研の中でも異質で、メンバーの専門に限らずあらゆることをやりますから、来た人は最初のうち少しびっくりするかもしれません。

とみた・まさる
東京大学大学院工学研究科博士課程修了、工学博士。1993年から鉄道総合技術研究所に勤務。超電導工学研究所、米マサチューセッツ工科大学での勤務を経て現職に。鉄道総研研究開発推進部担当部長 超電導き電ケーブル課長を兼任。横浜国立大学客員教授。

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