2017年5月設立のWhite Motionは、日本の自動車部品メーカー(カルソニックカンセイ)と、フランスのセキュリティーベンダー(Quarkslab社)を親会社に持つ、自動車のセキュリティーに特化したベンチャー企業である。日本マイクロソフトから同社の最高経営責任者(CEO)に転身した蔵本雄一氏に、自動車セキュリティーの現状と今後を聞いた。

蔵本 雄一氏(くらもと・ゆういち)
2005年、マイクロソフト(現・日本マイクロソフト)入社。セキュリティーエンジニアとして、主に大規模な顧客環境のセキュリティー向上活動に従事。2017年5月より現職。(写真:陶山 勉)

 White Motionを一言でいうと、クルマをサイバーセキュリティーリスクから守る会社です。当社がユニークなのは、親会社のカルソニックカンセイが独立系のメーカーだということです。どこの色も付いていないというのは、クルマのセキュリティー対策に取り組みたい企業にとっては重要なことです。そういうポジションの会社は今までありませんでした。

 クルマのサイバーセキュリティー市場はまだ生まれたばかりの段階です。まずはマーケットとして育てることが先決です。そこで当社は「公益性」を重視します。当社が得たセキュリティー対策のノウハウは、全自動車メーカー/サプライヤーが知るべきものであり、全自動車に実装されるべきものとの考えから、惜しむことなく提供していきます。

 それでどうやって儲けていくのかと思われるかもしれませんが、このマーケットが成長市場であることは間違いありません。だから、このマーケットにいれば、お金は絶対入ってくるのです。実際、2017年9月にビジネスを始めましたが、既に実績が出ています。

 これらのお客さんと話をしていて感じたのは、「結局、(ECUなどは)逆アセンブルしたら(中身が)分かってしまう。隠し通すことは不可能」と皆さんが気づき始めているという点です。自分たちのクルマを安全にしたいという思いがあって、ノウハウをため始めてはいるものの、それで十分かどうか不安だったところに、僕らのような中立的な専門会社が出てきた。だから、「専門家と一緒にやりたい」という相談が多いですね。

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