ドイツの働き方は学ぶ点が多いものの、日本流にも優れているところはある。DMG森精機取締役社長の森雅彦氏によれば、「見える化」や部署の垣根を越えた提案などは日本が得意であり、それが日本の品質の良さを支えているという。ドイツ流を取り入れた結果として、本来の強みを失っては本末転倒だ。

 デンソーの欧州法人(Denso Europe社)などドイツを中心に14年間の欧州駐在経験を持ち、現在はデンソーのエグゼクティブフェロー(グローバル技術渉外)である中川雅人氏も、「日独にはそれぞれの長所があり、日本はドイツ流を100%コピーする必要はない」と指摘する。同氏自身、Denso Europe社のトップとして駐在していた頃は、ドイツ流を実践していたが、それを通じて日本の働き方の良さも見えてきたという(図1)。具体的には、チームワークでの仕事やきめ細やかな配慮などだ。ドイツ流を取り入れつつ、これらの長所は残すことで、品質など本来の強みを生かしたまま効率を上げていくことが重要になる。

図1 ドイツの働き方と日本流の長所
デンソーの中川氏がドイツ駐在時代に実践したドイツの働き方と、その経験を通じて同氏が考えた日本流の長所。
(同氏の資料を基に日経ものづくりが作成)
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