燃費の良いエンジンを作るためには、気筒の内径(ボア)を小さく、行程(ストローク)を長くすることが欠かせない。ところが、連接棒(コンロッド)がある現状のエンジンでは、それが難しい。新連載「パワートレーンメカニズム」の第1回では、コンロッドのない低燃費エンジンを解説する。

 ピストンの往復運動をクランクの回転運動に変えるコンロッド。レシプロエンジンには欠かせないものだというのが常識だ。しかし、コンロッドは燃費の良いエンジンを作る上ではむしろ邪魔になる。コンロッドのない新しいエンジンの開発が始まっている。

 その代表例が、Zメカニズム技研が開発した「XY分離クランク機構」と呼ぶ技術だ。ピストンの往復運動を往復方向(X)と、それと直交する方向(Y)に分離して回転運動に変える。既に加圧力3kN、回転数800rpmの往復摺動摩擦試験機を実用化している(図1)。製作した圧縮機(コンプレッサー)では出口圧力3MPaで200時間の耐久試験を済ませた(図2)。

図1 コンロッドを使わない機構で駆動する往復摺動摩擦試験機
ピストンの往復運動を往復方向(X)と、その直交方向(Y)に分離して回転運動に変える。
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図2 試作した圧縮機
中央がXY分離クランク、右が低圧ピストン、左が高圧ピストン。
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 エンジンの試作機も3基製作した。市販している排気量50ccのガソリンエンジンを基にした単気筒と水平対向のエンジンはそれぞれ100時間の運転実績がある(図3)。最高回転数は単気筒が7000rpm、水平対向が1万rpm。最近は市販している排気量320ccのディーゼルエンジンを基にした直列(同社はU型と呼ぶ)2気筒エンジンも試作した。どれもコンロッドがない。

図3 市販の排気量50ccガソリンエンジンの部品を使った単気筒エンジンの試作機
最高回転数は7000rpm。
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