「結球レタスを手掛ける植物工場は弊社が国内唯一」と、NOUMANN代表取締役CEOの宮下清優氏は胸を張る。NOUMANNはベンチャーとして2014年に設立、2016年1月に福井県・美浜町で植物工場を稼働、2月から出荷を始めた。販路を開拓しつつ、出荷量を増やし、「今年度は昨年から売り上げが30~50%伸びて収支均衡」(宮下氏)と順調に業績を延ばしている。宮下氏は「2018年度は黒字化を目指す」と意気軒昂だ。

未開地「結球レタス」に注力

 現在の主力商品は葉野菜のパックだが、宮下氏が「次の主力商品」と期待を掛けるのが丸い「結球レタス」だ(図1)。現在は月産約5000株の総生産量のうち1割弱にあたる300株を生産、出荷している。

図1 生産している結球レタス
NOUMANNは植物工場で写真中央の結球レタスを生産している。その他、プリーツレタスやレタスミックス、フリルレタスも生産している。
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 工場稼働前の実験段階では200g規格の商品しか作れなかったが、独自の改良を加え、現在は300g規格で安定して出荷できるようになった。「露地物より甘味が強くておいしいと評価されて、一流ホテルなどで採用実績がある」(宮下氏)という。

 宮下氏が結球レタスに期待を掛けるのは、他の植物工場が手掛けないからだ。「レタス市場の8~9割は結球型で、一般の消費者が思い浮かべるレタスはやはりこの形。今見えている課題をいち早く解決して、価格と品質のバランスが良くなれば、そこにはブルーオーシャンが広がっている」と宮下氏は話す。

 他の植物工場で結球レタスを手掛けない理由は、育成コストが高い割に、高値で売れないから。例えば結球レタスは葉野菜のフリルレタスと比較すると育成面積で4倍、育成期間も17日も長く、約1.5倍の59日が必要となる(図2)。生産現場を大きく占有し、育成期間が長引けば生産効率は悪くなる。逆に言えば、生産性の課題さえ解決すれば葉野菜のパックに比べて大きな市場を狙えるわけだ。宮下氏は「さまざまな選択肢がある中でベストバランスを選ぶのが当社のやり方。コストダウン策にはめどが付きつつある」と自信を見せる。

図2 レタスを栽培している様子
結球レタスを栽培している(a)。葉野菜を栽培している(b)。結球レタスを育てるには、フリルレタスなどの葉野菜と比較して4倍の面積を必要とする。
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