リサイクルするものを抽出

 シタラ興産の工場には1日当たり300~500tもの産廃が搬入されてくる。同工場は、これらをリサイクルに回すものと、埋め立て処分するものとに仕分ける役割を担っている。

 作業の流れとしては、まず廃棄物を油圧ショベルで専用機械に入れ、木くずやコンクリート片のような重量物と、段ボールや紙くずのような軽量物とに仕分ける。フィンランド製のロボットを適用したのは、この専用機械で仕分けた後の、重い方の廃棄物の選別作業だ(図3)。木くずやコンクリート片、金属、廃プラスチックなど、紙類以外のすべての廃棄物をロボットで仕分ける。

図3 人手でしか選別できなかった木くずもロボットで選別可能に
従来15人もかけていた重量物の選別作業を、ロボット導入により2人の監視員を付けるだけで自動化できた。(写真:シタラ興産)
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 ZRRは、廃棄物の種類や位置、形状を認識する識別センサ部と、2個のロボットハンドから成る。いずれも廃棄物が流れるベルトコンベアをゲートのようにまたぐ形で配置してある。識別センサ部にはカメラや距離画像センサ、近赤外光カメラが収められている。ベルトコンベアの下には金属探知機がある。

 ロボットは距離画像センサや近赤外光カメラなどを用いてディープラーニングにより廃棄物の材質を判定(参照)。その後、1mほどもある巨大な2指のハンドを使って、ベルトコンベア上を流れる廃棄物の中から、指定した材質の廃棄物のみを次々とピッキング。廃棄口に投入する。人手ではベルトコンベアの速度は10cm/秒程度が限界だったが、ZRRではその12倍の1.2m/秒の速度で選別できる。ハンドはコンベアの上部に天吊りされており、XYテーブルで移動する。最大で幅50cm、質量20kgの廃棄物まで把持できる。

 ロボットによって廃棄口に投入された廃棄物は、パイプを通ってロボットの下の空間に落ち、材質ごとに仕切られた廃棄物置き場に集まる。これらは、リサイクル業者などに引き渡す。

 シタラ興産では段ボールなどの軽量物についてはこれまで通り人手で選別している。従来、軽量物として処理していた一部の廃棄物もロボット側で扱えるようになったため、人手で行う選別は段ボールなどの紙類のみ。この工程の作業員も従来の5人から2人に減らせた。