本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 日本と英国の人工知能と神経科学の研究者が集まったGatsby/科研費合同ワークショップ1)が2017年5月にロンドンで開かれ筆者も講演者として参加してきた。このワークショップは英University College LondonのGatsby計算神経科学研究所(Gatsby研)DirectorであるPeter Dayan氏と沖縄科学技術大学院大学(OIST)教授の銅谷賢治氏らの呼びかけで開催された。

 Dayan氏はベイズ法を神経科学に適用し、神経伝達物質が予測誤差や不確実性を表すのに使われていることを明らかにした。このほかにも強化学習でのQ学習やTD(λ)の収束性の証明、今の深層生成モデルにつながるヘルムホルツマシンなど多くの業績がある。グーグルDeepMindのメンバーの多くがGatsby研の出身であり、DeepMindが強化学習やベイズ法、エピソード記憶など神経科学に着想を得た手法を積極的に手掛けていることからもその影響の大きさが分かる。一方、銅谷氏は後述する脳内での学習システムを明らかにするため実際の動物やシミュレーションモデルを使い脳内での学習システムの解明を進めている。

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