太陽光発電所の雑草を刈る手法として、多くの発電事業者が理想的なイメージとして挙げるのは、米iRobot社の室内用ロボット掃除機「ルンバ」の草刈機版である。

 「ルンバ」による室内の掃除のように、「ロボット草刈機」が放っておいても自律的に草を刈りながら敷地内を走り回り、充電量が減れば充電器まで自分で戻り、満充電した後は、再び刈り途中の持ち場に戻って草を刈りはじめる、というものだ。

 ただ、太陽光発電所は、さまざまな地形に立地している。平たい土地だけでなく、傾斜や凹凸の大きな場所にも多くのパネルが敷かれている。

 地表面の状態や設備の敷設方法も、発電所によって異なる。地表は、土だけでなく、砕石を敷き詰めている場合がある。また、コンクリート基礎や金属製の杭基礎があるほか、接続箱からパワーコンディショナー(PCS)までの送電線が、金属製のラックや樹脂製の筒のような部材に納めて地上に敷設されていることもある。

 ルンバのようなコンセプトのロボット草刈機が実用化されたとしても、こうした自動走行・草刈りが難しい条件を含む多様な環境にあることから、多くの太陽光発電所で一様に活用することは難しいかもしれない。

 このような中、企業の一般的な事業所や住宅の庭などで、広く活用が進んでいるロボット型「芝刈機」を、太陽光発電所の草刈りに応用しようとする動きが出てきた(図1動画)。

図1●国内の太陽光発電所における除草に活用
ハスクバーナ社のロボット芝刈機「Automower」の例(出所:ハスクバーナ・ゼノア)
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動画●メガソーラーにおける活用例
マンホールを乗り越えて草を刈っているのがわかる(出所:ハスクバーナ・ゼノア)

 Liイオン蓄電池を使って駆動し、四輪の間に回転刃を備える。回転刃は、乗用型草刈機が備える鎌のような刃ではなく、かみそりの刃のような薄いもので(図2)、これを3枚備えている。この刃で芝や草を刈る。

図2●薄い回転刃で刈る
ハスクバーナ社のロボット芝刈機「Automower」の例(出所:ハスクバーナ・ゼノア)
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