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「量子医療」への扉を開く(page 3)

2016/07/29 04:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

外からも中からもがんを攻撃

 懇談会では、量子医学・量子医療の具体的な姿の1つとして、放医研が開発に力を入れている「標的アイソトープ治療(TRT:Targeted Radionuclide Therapy)」を紹介した。がんに集積する性質を持つ薬剤に放射性同位元素(アイソトープ)を組み込み、体内に投与してがんを放射線で攻撃する治療法だ。副作用が問題とならないほどの低い薬剤濃度で高い治療効果が得られる「切れ味の良さ」(放医研 臨床研究クラスタ 分子イメージング診断治療研究部 部長の東達也氏)が特徴である。

放医研の東氏
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 日本では近年、甲状腺がんの治療を中心に治療件数が増加している。従来はβ線(電子)を放出する薬剤を主に使ってきたが、最近では微小転移の治療に対応しやすい、α線(He原子核)を放出する薬剤による治療技術の開発が進んでいるという。体外から放射線を当てる重粒子線治療とも組み合わせることで「外からも重粒子、中からも重粒子」(東氏)による、切らずに治すがん治療を目指す。

 ただし標的アイソトープ治療は、放射性薬剤(TRT薬剤)を「全面的に輸入に頼っている」(東氏)のが課題。放医研では、α線を放出する新規薬剤の開発を進めており、2016年6月にはアスタチン(At)をベースとする薬剤で、マウスに移植したがんを縮小することに成功した成果を発表した。標的アイソトープ治療の「国産の薬をつくる」(同氏)ことが、研究グループの大きな目標だ。

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