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2017/07/05 09:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

「急性期医療のニーズが高まる」と予測

医療経済研究機構の満武巨裕氏
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 医療経済研究機構の満武氏は、NDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)や三重県の医療・介護データを用いて、地域ごとの医療の需給バランスを可視化したり、医療費・介護費を推計したりするモデルを開発中。その成果を「自治体などにツールとして提供していく」(満武氏)。

 三重県に関する分析では、さまざまな疾患の地域別の有病率や、受療行動などが明らかになってきた。満武氏と共同研究を行っている東京大学の喜連川氏が紹介したデータによれば、大きな医療機関の少ない三重県南部の患者は、かなり離れた場所にある医療機関まで通院している傾向があることが分かってきた。糖尿病の非患者群が時間の経過とともにどのように罹患・重症化していくかといった、疾患の時系列の推移も可視化できるようになった。

 死亡前半年間の医療費・介護費に関する分析も成果の一つ。ターミナル・看取加算ありとなしの群における、医療費・介護費の傾向の違いなどが明らかになってきた。

東京大学の橋本英樹氏
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 最後に登壇した東京大学の橋本氏は、がんや心臓病、糖尿病などの患者数の将来推計や死亡移行推計に基づく、医療・介護ニーズ予測モデルへの取り組みを紹介した。この研究では、国民生活基礎調査や人口動態調査、国勢調査などのデータを活用。男女・年代別に、がんや心臓病、糖尿病など12種類の疾患の組み合わせ(4096通り)に対応する死亡移行や新規疾病発生率を計算した。これにより、10年後や20年後の疾病発生率や死亡率を個々人のレベルで予測できる。

 この開発では、日本の疾病発生率や死亡率に関する「疫学(的なデータ)をほぼ仮想的に再現できるようになった」(橋本氏)。構築した予測モデルによれば、日本の後期高齢者ではこれから「脳卒中よりもがんや心臓病、呼吸器疾患などが大きな問題となる可能性が示唆された。介護以上に、急性期医療の提供体制が問われるかもしれない」と橋本氏は話している。

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