「潜在看護師」「潜在介護士」の有効活用で介護の人手不足解消を

カナミックネットワークとキャリアが人材マッチングサービスを開始

2017/12/11 14:15
増田 克善=日経デジタルヘルス
2017年12月8日の記者会見で人材サービスを発表したカナミックネットワークの山本氏(左)とキャリアの溝部氏(右)
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マッチングサービスのイメージ(会見資料より)
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 カナミックネットワークは、人材サービスを手掛けるキャリアと業務提携し、介護事業者の求人ニーズとキャリアの人材データベースのマッチングさせるサービスを開始する。本格的なサービス提供は2018年1月から。「カナミッククラウドサービス」のユーザーが対象で、サービス料は無料。

 今回のマッチングサービスの特徴は、キャリアの人材データベースが、看護師資格や介護士資格(主に介護職員初任者研修・同実務検者研修などの資格)の有資格者でありながら、何らかの理由で離職状態にある求職者を対象としている点である。「有資格者ながら離職中の人を『潜在看護師』『潜在介護士』と呼んでいるが、そうした方々は子どもを預けられる時間あるいは一定の期間なら復職したいなど、就業ニーズは細かい。一方、介護事業者も常勤職員を休ませるために職員補充したいなど、さまざまな求人ニーズがある。両者のニーズをマッチングさせ、迅速に人材供給できる仕組みが必要になる」(キャリア代表取締役の溝部正太氏)。現在、約1万2000人の潜在看護師・潜在介護士が登録されているという。

 ユーザーは、カナミッククラウドサービス上から求める人材を細かいセグメントでリクエストできる。マッチングサービス用に実装した人材検索画面で要件をチェックし、キャリアの求職者データベースから抽出することにより、シフトなどのニーズに基づいた人材紹介を可能にする仕組みである。「業務システムと連動することで、日常の業務の中で必要な時間・職種などきめ細かな条件でリクルーティングが可能で、しかもタイムリーなマッチングと人材供給ができる」(カナミックネットワーク 代表取締役の山本拓真氏)。

現職の人材流動だけでは課題解決しない

 キャリアはこれまで、細かい就業ニーズを持つ求職者の要望を満たすために1件ずつ介護事業所にアプローチしてきたという。今回、カナミッククラウドサービスと連携することによって、ニーズのマッチング作業を効率化でき、就業の機会を従来以上に増やせるとしている。

 サービス提供当初は、介護事業者の求人ニーズに基づいて抽出された人材を元に派遣契約を行っていくが、「カナミッククラウドサービスの(匿名化された)シフト管理画面の中で足りていない枠に対して、能動的に提案できるようサービスを充実させていく」(溝部氏)という。

 溝部氏によると、潜在看護師は約70万人、潜在介護士は旧ヘルパー2級有資格者を中心に約228万人いるとされる。

 「介護事業者間の中だけで現職の人材が流動する状態では、介護業界全体の人手不足は一向に解決しない。潜在看護師・潜在介護士に職場復帰してもらい、充足させることで人手不足の解消を目指すところに今回の提携、サービス提供の意義がある」とカナミックの山本氏は強調する。従来のリクルーティング手法から、介護事業者・求職者双方の細かなニーズに対応できる新しい人材供給ソリューションを2社で提供していくと意気込みを語った。