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小規模病院とケアサービスの複数施設を効率運営するための情報システム(page 2)

院内開発でここまでできる! 志田病院のチャレンジ

2017/12/07 13:00
増田 克善=日経デジタルヘルス

現場職員と一致団結したシステム化推進

 志田病院と介護サービス事業所の業務支援システムは、医事会計システムと介護報酬の請求に関わるシステム用のWindows端末5台以外は、MacOS端末96台とiOS端末(iPad)にて運用されている。当初の開発は、職員の勤務表管理や施設・部署ごとの日報など総務・事務部門のツールが主だったが、次第に受付業務、病棟看護、オーダリングなど診療業務支援も含めた病院全体のIT基盤として活用されるようになってきた。

 「当初、50床に満たない小規模病院では、導入コストも含めて電子カルテシステムの選択肢がほとんどなく、導入に踏み切れませんでした」(志田氏)。そうした状況が、業務システムの独自開発に傾倒した背景になった。医学生の頃からMacintoshを利用し、愛好してきた志田氏が現病院を継承して病院改革に乗り出したとき、「病院情報システムもMacOS上でFileMakerをデータベースとして構築できるのでは」と考え、以来、開発に取り組んできた。

 「あったら便利」と考える小さなツールを積み重ね、改修しながら利用してきたシステムは、「業務上、なくてはならないツール」へと変わってきた。管理者向けメニュー画面を見ると、その機能数は100を優に超える。患者受付システムや会計待ち表示システムなどベンダー製医事会計システムの周辺ツールなどもすべてFileMakerで構築されており、病院の至る所でMacBook AirやMac Pro、iPadなどが業務端末として利用されている。

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医事や病棟などあらゆる部門でFileMakerによるシステムが稼働
(左から受付システム、会計待ち表示、病棟看護システム)

 診療業務の基幹系システムとしては、オーダリングシステム、病棟看護(経過記録)システム、オーダリングの注射オーダーと連携したベッドサイドでの3点認証の仕組みなど、業務効率化と安全性向上に関わるシステムなどが揃う。さらに、併設する健診センターのシステムも患者データベースに統合されている。

FileMakerによる患者データベースには基本情報から外来・入院・検査・リハビリなど全情報が一元化されている。
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 現在、システム開発は、事務部システム開発主任の田中徳文氏を中心に、石橋幸治氏と白仁田博美氏を加えた3名が専任SEとして携わっているが、白仁田氏はFileMaker開発歴が2年未満だという。理事長と副理事長が参加して月1回開催される情報管理委員会では、年度計画に基づいて開発するシステムの検討や進捗が議論されるほか、各部門の現場職員から出された新システム開発依頼や既存システムの改修依頼などの優先度の検討や進捗チェックなどが行われている。こうした要望案件は、システム開発エントリー済み一覧で管理されているが、「小さな改修要望も含めると年間300件ほどに及び、作業が追いつかないのが現状です」(田中氏)という。

システム開発は事務部システム開発主任の田中徳文氏(中央)を中心に、石橋幸治氏(左)、白仁田博美氏(右)の3人が担当

 開発したシステムの運用事例やシステム運用に基づいた研究成果は、病院経営に関する学会などで積極的に発表しており、病院を挙げて積極的に取り組んでいることが見て取れる。「小さな病院ながらもシステム化推進の参考になればと、学会報告を奨励しています」(志田氏)。

日経デジタルヘルス Special

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