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脳卒中後のリハビリにVRを!

「半側空間無視」を改善、早稲田大が実証

2018/01/17 08:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 「頻繁に肩を障害物にぶつけてしまう」「食事をいつも左半分だけ食べ残す」「印刷物に書かれている内容の半分だけが読めない」…。脳卒中を起こした後、こんな症状に悩まされる患者が少なくない。脳の損傷部位と反対側の空間の刺激に反応できない「半側空間無視」と呼ばれる症状だ。

 脳卒中などで大脳の右半球を損傷した患者の3~6割に、左半分の空間の刺激に反応できない左半側空間無視が現れるとの報告もある。発症すると日常生活に影響が及び、QOLを大きく低下させる。

 この半側空間無視の症状改善に、VR(仮想現実)を活用する――。早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 教授の岩田浩康氏と、同大学 理工学術院総合研究所 理工学研究所 研究院講師の安田和弘氏らの研究グループは、そんな試みを進めている。ヘッドマウントディスプレーを用いた没入型VRの効果を、実際の患者で実証した。

近位・遠位の半側空間無視を統合的に治療する(資料提供:早稲田大学)
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 一般に、人がある対象物に注意を向ける際には、注意の「解放」「移動」「固定」という3つの連続したプロセスを無意識のうちに行っている。左半側空間無視ではこれらのプロセスに困難を生じ、特に注意の「解放」「移動」がうまくできなくなる。これによって、空間の左半分からの刺激に反応できなくなる。この症状は、手を伸ばせば届く近い空間(近位空間)と遠い空間(遠位空間)のそれぞれで現れ、近位空間無視が顕著な患者もいれば、遠位空間無視が顕著な患者もいる。

 研究グループはこれらの点に着目し、かねて可動スリットによる左半側空間無視の治療支援システムを提案してきた。可動スリットは、無視していない側(右方空間)の情報を徐々に遮断していき、無視してしまう側(左方空間)へと見える領域を徐々に拡大していくもの。これによって注意の解放と移動を促し、左半側空間無視の症状を改善する仕組みだ。近位空間無視の治療にはタブレット端末、遠位空間無視の治療にはプロジェクターを使った可動スリットシステムをそれぞれ開発してきた。

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