「輸入バイオマス」には懸念

――地域社会では、バイオマス発電への期待をよく耳にします。しかし、PKS(パームヤシ殻)など、輸入燃料を使ったバイオマス発電の建設計画が急増しています。「輸入バイオマス」による再エネ拡大についてどのように評価しますか。

秋本 輸入バイオマスの急増に関しては、再エネ拡大議連としてもやや問題があるとの認識です。小規模なバイオマス専焼発電ならよいのですが、100MWを超えるような大型石炭火力に混焼するケースは、FIT本来の趣旨から外れていると思います。

 従来、石炭火力にバイオマスを混焼する場合、せいぜい数%という割合でした。ところが、ここにきて技術進歩で30%もの混焼も可能になっています(図2)。100MW級の石炭火力に30%ものバイオマスを混ぜて、いまの高い買取価格で売電し、しかもそれが輸入燃料ということになると、制度の目指してきた姿とはかけ離れてきます。

図2●大阪ガスグループのバイオマス混焼型石炭火力
(注:写真手前部の薄い緑色の煙突や建造物)(出所:大阪ガス)
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 バイオマス発電の理想は、林業など国内の一次産業と連携し、国産燃料の比率を上げることです。カーボンニュートラルの考え方で、石炭火力の二酸化炭素排出を減らせばよい、というものではないと感じています。

 もっとも、まず「輸入バイオマス」で、木質チップの国内需要を増やし、将来的に技術革新などで国産バイオマスのコスト競争力を高め、輸入燃料を置き換えていく、というシナリオも考えられます。バイオマス発電の推進については、輸入バイオマスのこうした側面も評価しながら、買取価格などによって導入量を調整していくべきでしょう。