原発再稼働と再エネの両面作戦

――系統増強には、多額の必要がかかり、その負担をどうするかが課題になります。

秋本 確かに、系統の増強は、百億円単位の投資になる可能性があります。ただ、「原発比率20%」を達成するための追加投資に比べれば少なくて済む、というのが私の考えです。「40年廃炉ルール」をクリアするためには、莫大な投資になります。原発の場合、そこまで追加投資しても、必ず再稼働できるかは不確定要素が残ります。再エネの場合、ある程度の系統増強を行えば、確実に導入量は増やせます。

 原発を否定するわけではありません。新潟県の柏崎刈羽原発が沸騰水型として初めて安全審査をクリアしましたし、今後、徐々に稼働する原発が出てくるでしょう。しかし、「非化石電源44%」を達成する上で、再エネの方が着実に積み増せます。現段階では、原発再稼働を促しつつも、再エネのさらなる拡大にも手を打つという両面作戦が必要と思います(図1)。

図1●現行の「ベストミックス」(2030年の電源構成)
(出所:経済産業省)
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――再エネ開発の現場では、電力会社による出力抑制(出力制御)のリスク、系統接続のための工事費負担金や系統側工事の大幅な遅れなどが、差し迫った障壁になっており、ファイナンスが付きにくくなっています。

秋本 系統増強の必要性について最初に強調しましたが、現在の系統インフラのなかでも、まだまだ再エネを受け入れる余地は大きいと見ています。例えば、まず再エネ電源を接続しローカル系統の混雑に応じて出力抑制する「コネクト&マネージ」や、地域間連系線を最大限に活用して需給バランスを改善する手法などで、すでに海外では導入されています。

 経産省との勉強会などで、こうした手法を研究してきました。その成果もあって、経産省は「日本版コネクト&マネージ」の導入に向けて動き始めています。広域連系についても、電力広域的運営推進機関が本格的に機能してくれば、改善が期待できます。