太陽電池セル(発電素子)の基板に、これまで一般的だった「P型シリコン」(電荷が正孔で移動する半導体)でなく、「N型シリコン」(電荷が自由電子で移動する半導体)を使った「N型太陽電池」の量産が本格化している。「N型」の拡販に取り組む中国のJolywood(Taizhou)Solar Technology(泰州中来光电科技有限公司)のLiu Yong(刘勇)・上級副社長に、製品戦略や「N型」の利点や可能性などに関して聞いた。

「N型」を年産2.4GWに増産

Liu Yong(刘勇)上級副社長

Jolywood SolarのN型モジュール(太陽光パネル)の量産計画に関して教えて下さい。

Liu 2017年末での生産能力は、約1.2GWでしたが、2018年中には2倍の2.4GWまで増やす計画で、「N型」では世界最大クラスの生産規模になります。出荷ベースでは今年は1.5GW程度になりそうです。

 日本向けの出荷は、昨年約20MWでしたが、今年は100MWを超えると見込んでいます。

N型技術を採用する利点は何ですか。

Liu N型技術は単結晶シリコン型太陽電池の「クラウン」技術といわれます。例えば、パナソニックの「HIT」(ヘテロ接合)と米サンパワーのバックコンタクト(IBC:裏面電極)というトップクラスの変換効率を持つ先端的な太陽電池モジュールは、いずれもN型です。効率面から見ると、22%以上の製品はほとんど「N型」を採用したものです。

 Jolywood Solarでも、新モデルの変換効率は21%以上で、出力は単結晶シリコン・60セル/枚タイプで約300~315W/枚に達します。

N型モジュールは製造工程が複雑で、コストが高いことが課題とされます。HITやIBCも、それを克服できず、屋根上で設置面積に制約があるなど、販売価格の高さが許容される市場向けが中心になっています。

Liu N型技術のコスト競争力が高まらなかったのは、主に3つの理由があると分析しています。1つは、高価な情報デバイス向け半導体製造装置を使うことが多く、オーバースペックになっていたこと。2つ目は、技術の特徴が生かし切れていないことです。N型セルは両面発電仕様が容易ですが、これまで、それを生かす製品戦略が不十分でした。そして、3つ目は、N型モジュールの量産化を支える材料などのサプライチェーンが未成熟だったことです。