1月から太陽光発電アフターメンテナンス協会(福岡市博多区)と、同協会の代表理事を務める地元企業の工(たくみ)オフィスの宗貞貴洋代表取締役によるトラブル事例の解説を掲載している。同協会は、九州の中小企業が太陽光発電のO&M(運用・保守)に関して連携し、地域の担い手を目指している。メンテナンスに関する情報共有や、技術の標準化などにも取り組んでおり、地域の中小企業をはじめ、太陽光関連で全国展開している企業なども加盟している(関連コラム)。

 今回は、太陽光発電所の敷地内で雑草の繁茂を放置することのリスクを紹介する(図1)。

図1●雑草を放置すると火災リスクが高まる
中学校の隣に立地する太陽光発電所における例(出所:太陽光発電アフターメンテナンス協会、工オフィス)
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 画像の発電所は、雑草が伸び放題に伸びている状態となっている。見る角度や方向によっては、太陽光パネルがあることさえ、わからないほどである。

 ここまで酷くなくても、除草が不十分で雑草が目につく太陽光発電所は多い。

 雑草の繁茂による悪影響として、まず思いつくのは、背が高く伸びることで太陽光パネルへの日射の妨げとなり、発電量が減ってしまうことである。

 この太陽光発電所も、どの程度、発電できているのか、よくわからないほど太陽光パネルが雑草に覆われている。パワーコンディショナー(PCS)の下にも雑草が繁茂し、電線がよく見えない。

 宗貞氏が強調しているのは、発電量の損失より、むしろ安全性を損なうことへの影響である。雑草が発電設備を覆い隠しているような状態で、何らかの原因によって、発電設備から火花(アーク)を発生したり、発火した場合、枯れ草などに引火してボヤや火事を引き起こしかねない。

 前々回で紹介した、太陽光パネルのはんだ上が焦げ、内側からガラスが割れた例や、前回に紹介した、PCSの接続部が黒焦げとなった例でも、もし周囲が雑草に覆われている状態で生じたならば、雑草に引火して火事が起きていてもおかしくないという。

 雑草が繁茂している中、一度引火してしまうと、山火事のような燃え方をする恐れがある。

 この画像の太陽光発電所は、中学校の隣に位置し、フェンスを境に隣り合っている。同じように民家などと隣接した太陽光発電所で、雑草を放置している様子も多く目にする。

 学校や民家などに隣接する太陽光発電所で、伸び放題となっている雑草に引火して延焼すれば、敷地を超えて、隣の学校や民家に燃え移る恐れもある。

 もし、そのような事態になれば、管理体制の不備とされ、真っ先に損害賠償責任を問われるのは発電事業者、発電所のオーナーとなる。