前回から、九州の中小企業が太陽光発電のO&M(運用・保守)に関して連携し、地域の担い手を目指す団体、太陽光発電アフターメンテナンス協会(福岡市博多区)と、同協会の代表理事を務めている、地元企業の工(たくみ)オフィスの宗貞貴洋代表取締役によるトラブル事例の解説を掲載している。同協会は、太陽光のメンテナンスに関する情報共有や、共通化できる技術の標準化などを目指しており、地域の中小企業をはじめ、全国的に太陽光関連の事業を展開している企業などが加盟している(関連コラム)。

 今回は、パワーコンディショナー(PCS)や接続箱に関する施工不良による不具合を紹介する。いずれも、低圧の配電線に連系している太陽光発電所における例である。

 稼働後の低圧太陽光発電所のPCSにおいて、太陽光パネルから直流の電気を入力する電線の接続部が焦げていることを発見することがある()。類似する例が多い不具合となっている。

図:端子が黒く焦げている
赤色の左上の部分(出所:太陽光発電アフターメンテナンス協会、工オフィス)
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 画像を見ると、PCS内の電線の接続部が、黒く焦げている様子がよくわかる。電線を外してみると、この接続部は完全に短絡(ショート)している状態だった。

 このPCSは、電線を差し込んで接続するタイプである。こうした差し込み型では、電線内で撚られた銅線が1~2本曲がっていて、その部分が適切に差し込まれていないと、このように短絡して接続部が焦げるといった不具合につながる(関連コラム)。

 また、電線の差し込みが甘いために、同じように接続部が短絡して黒焦げになっている例も、かなり見かけるという。

 こうした直流回路の短絡は、交流の場合とは異なり、もし火花(アーク)が発生してしまったら、なかなか消えない。万が一、火花が機器に燃え移ってしまったら、火災に発展する恐れもある。

 施工業者が正しく施工してこうした不具合を防ぐことが重要なのはもちろん、発電事業者にとっても、適切なO&Mを続けていくことで、いち早く発見できる。

 売電機会の損失はもちろん、太陽光発電所に起因する火災の発生を防ぐ安全面からも、適正なO&M体制を確立し、維持していくことの重要性が理解されることが望まれる。