再エネを復興計画の柱に

 福島県飯舘村は、阿武隈山系北部の高原にあり、豊かな自然に恵まれた美しい村。約75%を森林が占める。東日本大震災による被害は比較的、軽微だったものの、風向きなどの条件が重なり、原発事故で飛散した放射性物質による汚染は深刻なものとなった。

 2011年4月に「計画的避難区域」に指定され、全村避難が続いていたが、2017年3月31日に一部地域を除いて避難指示が解除された。

 震災後、飯舘村は「いいたてまでいな復興計画」を策定した。「までい(真手)」とは、ゆっくり、丁寧なという意味の東北弁。同村は、東日本大震災の起きる前から「大いなる田舎 までいライフいいたて」を掲げ、「低炭素型田園ライフ」を標榜してきた。

 「までいな復興計画」は、原発事故で中断してしまった「低炭素型地域づくり」を引き継いでいる。原発事故を乗り越え、エネルギー自立しつつ雇用を生み出すことを目指す。再生可能エネルギーはこうした復興計画の柱の1つ。村内では、除染や復興事業と並行して、複数のメガソーラー(大規模太陽光発電所)が建設されている。

 「いいたてまでいな太陽光発電所」もその1つだ。特定目的会社(SPC)「いいたてまでいな再エネ発電」が事業主体で、東光電気工事が55%、飯舘村が45%を出資した。このSPCに対し、東邦銀行を主幹事とし、七十七銀行、大東銀行、福島銀行の4行でシンジケートローンを組成し、40億7000万円を融資した。2016年3月に、他の再エネ施設の先陣を切って運転を開始した(図1)。

図1●「いいたてまでいな太陽光発電所・西サイト」
(出所:東光電気工事)
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