「地域エネルギー発電所を実現する」――。今年3月11日付山形新聞の朝刊に、こんな見出しの全面広告が掲載された。依頼主は、山形県や福島県でメガソーラー(大規模太陽光発電所)を開発・運営する東北おひさま発電(山形県長井市)。同社は、こうした企業理念を掲げた新聞広告を毎年3月11日に掲載している。

 昨年の3月11日付朝刊には、「忘れない。4年前の、あの夜。」との見出しで、「自然エネルギーと共に地域で生きる」との副題を掲げた。

県全域が停電し、放射性物質の飛散におびえる

 2011年3月11日の東日本大震災直後、山形県は、ほぼ全域で2日間にわたり、停電が続いた。原発事故による放射性物質の飛来におびえ、農作物の風評被害も受けた。こうしたなか、山形県の吉村美栄子知事は、「卒原発、再生可能エネルギーの推進」を掲げた。

 とはいえ、全国的にメガソーラー開発を展開している大手資本は、雪の多い山形県を敬遠してきた。県内での太陽光発電所の開発は、地元企業を中心に進められている。東北おひさま発電はその先駆けで、2013年8月、民間企業として山形県内で初めてとなるメガソーラー「長井おひさま発電所」を稼働させた(図1)。

図1●「長井おひさま発電所」の全景(出所:東北おひさま発電)
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