津波で411世帯が全壊

 福島県南相馬市の北部、鹿島区は、2011年3月11日の東日本大震災で甚大な被害を受けた地域の1つだ。震度6弱の大地震に続き、9mを超える津波が押し寄せ、411世帯が全壊し、行方不明者は970人に上った。

 2018年4月13日、この地区で出力約60MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「南相馬真野右田海老太陽光発電所」の竣工式が開催された。津波に被災した海岸地域の農地や居住地域など約100haに建設した。防災集団移転促進事業と土地改良事業法に基づき、南相馬市が使用収益権を取得した真野・右田・海老地区に建設した(図1)。

図1●「南相馬真野右田海老太陽光発電所」の全景
(出所:住友商事)
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 太陽光パネルの設置容量59.9MW、連系出力は45.5MWとなる。 事業主体は、SPC(特別目的会社)のソーラーパワー南相馬・鹿島で、住友商事が80%、住友商事東北が20%を出資した。みずほ銀行をアレンジャーとしたプロジェクトファイナンスを組成し、SPCに対して融資した。2016年5月6日に着工し、2018年3月20日に商業運転を開始した。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、東芝エネルギーシステムズと大成建設が担当した。太陽光パネルは東芝製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 発電所は、真野川を挟んで、真野地区側と右田海老地区側の2エリアからなり、川を高架線で渡している。両サイトには合計31カ所のサブ変電所があり、22kVに昇圧してサイト南端にある連系変電所に送電し、そこでさらに66kVに昇圧し、自営線を経て東北電力の特別高圧線に連系している。

 総事業費は約220億円。年間64GWhの発電量を見込み、これは一般家庭約2万世帯分に相当する。固定価格買取制度(FIT)に基づく売電単価は40円/kWhとなる(図2)(図3)。

図2●真野地区側のサイト。太陽光パネルは東芝、PCSはTMEIC製を採用した
(出所:日経BP)
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図3●右田海老地区側のサイト。風の影響にも配慮し、設置角10度でパネルを並べた
(出所:日経BP)
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