岩手県陸前高田市は、同県南東部の太平洋岸に位置し、東日本大震災に伴う津波によって、甚大な被害を受けた。この陸前高田市で2016年1月29日、出力約1.5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「陸前高田市横田町太陽光発電所」が発電を開始した(図1)。

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図1●陸前高田市の山あいにある
出力約1.5MWの「陸前高田市横田町太陽光発電所」(出所:日経BP)

 分譲マンションなど不動産開発を手掛けるプロスペクトが開発、運営している。同社の主力である不動産事業は、土地や建築価格の高騰、需要の変動などによって収益の波が大きい。これに対し、固定価格買取制度(FIT)に基づく太陽光発電事業は、安定的な収益を見込める。新たな事業として、取り組んだ背景には収益基盤の安定化という経営戦略があった。

 不動産開発を本業とする同社にとって、太陽光発電については未知の分野となる。そこで、2014年に、太陽光発電所のEPC(設計・調達・施工)サービスを手掛ける伸和工業(大阪市天王寺区)と提携し、太陽光発電所開発の検討をはじめた。その後、他のEPCサービス企業と組み、開発を検討する案件も出てきている。

 開発手法としては、経済産業省から設備認定を受けたものの、施工に至っていない案件を取得することを基本としている。設備認定などの手続きに慣れていないことから、こうした手法を採ることにした。

 2015年3月に売電を開始した兵庫県朝来市の出力約1MWのメガソーラーを皮切りに、3カ所、合計出力4.3MWの太陽光発電所が稼働している。さらに、7カ所、合計出力約40MW(出資持分ベース)の案件が計画、開発中となっている。買取価格36円/kWh(税抜き)の案件がほとんどとなっている。

 設備認定を得ていながら、事業化の進んでいない案件では、資金調達に難航している場合が多い。山林などを用地としていることも多く、造成コストが膨らみやすいことも資金面の障壁を高くしているとみられる。実際、開発している案件のうち約8割は林地開発許可が必要で、2カ所では農地転用が必要だった。