FIT事業のリターンを最大限に還元

 自治体がメガソーラーを誘致する場合、最も多いのは、民有地ではマッチング事業、公有地では、民間発電事業者への賃貸しが一般的だ。ただ、こうした仕組みでは、自治体にとっての経済メリットは、固定資産税や賃料などに限定される。

 そこで、群馬県太田市が最初に導入した「包括リース方式」や、広島県が採用した「LLP(有限責任事業組合)方式」など、自治体が発電事業者の立場を保持できるスキームを構築する例も出てきた。いずれも事業体と設備所有者を分離し、自治体はリース料を支払う形になる(関連記事1)(関連記事2)。

 楢葉町でのメガソーラー開発にあたっては、みらい創造機構(東京都千代田区)が、アドバイザーとして参加した。同社は東京工業大学と連携した技術系ベンチャーキャピタルだが、岡田祐之社長が東京電力の出身で、福島の復興事業にも関与してきた経緯があった。

 岡田社長は、「楢葉町に事業スキームを提案するにあたり、固定価格買取制度(FIT)による事業収益を最大限に復興に生かせる手法を検討した」と言う。その結果、GK‐TKスキームによる出資という民間ファンドなどで一般的な手法に行き着いたという。

 「リースや組合方式も検討したが、リース手数料などで地域に還元される収益が減ってしまう。自治体の出資は、第3セクターの失敗例などから懐疑的な見方もあるが、FITで収益が安定し、GK‐TKスキームを使うことで出資者のリスクは限定的になる。地域へのリターンを考えれば、自治体が積極的に事業に参画する意義は大きい」(岡田社長)。

 楢葉町の実施したメガソーラープロジェクトに関する公募プロポーザルでは、岡田社長のこうした主張が評価され、採択された。