日経エレクトロニクス2016年1月号のpp.164-173「ノイズ対策の勘所、基本4要素を押さえる」を分割転載した後編です。前編はこちら

ノイズは、発生原因や発生プロセスが非常に多様かつ複雑であることから、対策も複雑で重複的になりがちだ。効果的なノイズ対策を実行するために、基本4要素をしっかり頭に入れておくことは極めて重要である。今回はEMC対策部品のうちインダクターとコンデンサーについて説明する。

 実際に用いられる対策部品は多岐にわたるが、その代表的なものを図12に示した。今回はこれらのうち、ノイズ成分を主に反射により低減するコイルと、高周波成分を選択的に通してノイズをバイパスするコンデンサーについて解説する。

図12 代表的ノイズ対策部品
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高周波ノイズを反射するコイル

 コイルは一般に磁心に導線を巻いたもので(無芯のものもある)、電流によって磁束を発生させる(図13)。この磁束による誘導起電力(インダクタンス)により交流に対して抵抗として働くことで、高周波のノイズ成分を反射する部品である。

図13 コイルの構成
一般的なコイルでは、巻き線の周囲に磁束が発生する。
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 この場合の抵抗の大きさ、つまりインピーダンスは、インダクタンスが大きいほど高い。また、インダクタンスL は巻数n の2乗に比例するため、例えばフェライトコアを用いる場合などで2個設置するよりも導線を巻く方が、高インピーダンスが得られる。

 なお、透磁率μは磁心となる磁性材料の材質によって変化するが、磁心の断面積sが大きく磁路長lが短い方、つまり分厚く中心が小さいコア形状のフェライトコアの方が、配線の巻き数が同じならば高インピーダンスとなる。フェライトコアの選定時にこの特性を念頭に置きたい(図14)。

図14 コイルの特性
コイルのインダクタンスL(単位H:ヘンリー)は、磁路長lに反比例し、透磁率μや断面積s、また巻数nの2乗に比例する。
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