「神戸製鋼所の品質データ偽装の背景には、顧客が求める品質よりも自社の生産を優先する生産工程上の問題がある」──。同社が2017年11月10日に開いた品質データ偽装に関する原因究明と再発防止策に関する会見で、こうした実態が見えてきた。

 同社会長兼社長の川崎博也氏は会見で、「生産工程能力が不足している工場があり、能力強化の必要がある」と述べた(図1)。

図1 神戸製鋼所会長兼社長の川崎博也氏
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 川崎氏が言う生産工程能力とは、顧客が求める仕様に適合した製品を安定して造る能力のこと。アルミニウム(Al)合金と銅(Cu)合金の製品を造る工場において、同能力が不足しているという。顧客の求める仕様を満足できない不適合品の発生率は、数量ベースで約4%に達する。「自社の鉄鋼製品に比べると、発生率はかなり高い」(同社)とする。

 不適合品の発生率が高くなると、目標とする生産量や販売量を維持するのが難しくなる。適合した製品を造り直すとコストが増えることに加えて、顧客への納期を守れなくなる恐れがある。同社のアルミ・銅事業部門で品質データ偽装が多発した背景には、「品質よりも自社の生産や顧客への納期などを優先する」という事情があった。

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