SUBARU(スバル)における完成検査の不正が発覚した2017年10月27日(関連記事)。記者会見の席上で同社代表取締役社長の吉永泰之氏は「(今のやり方が)正しいと言いたいわけではない」としつつも、「事実をきちんと理解してもらいたい」という言葉を繰り返した。「完成検査員のハードルが高すぎた」(同氏)との発言もあり、完成検査を軽視していたわけではないとの思いがあるようだ。

会見するSUBARU(スバル)代表取締役社長の吉永泰之氏
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登用前の検査員も認定を受けている

 スバルが国土交通省に提出している完成検査要領では「完成検査員が完成検査を行うこと」とある。一方、業務規程では「完成検査員の登用に当たっては、現場経験の期間が必要」としている。つまり、完成検査員として登用する前に現場経験を義務付けているわけだが、この実現のために完成検査員以外が完成検査に従事する状況が生まれてしまった。

 現場経験を義務付けられた、完成検査員に登用される前の検査員とはどのような人か。同社は、「担当検査工程に必要な教育と訓練を受け、完成検査業務に必要な知識と技能を身に付けたと現場管理者(係長)に認定され、検査工程に従事するように監督者(班長)に指名された者」とする。この過程では完成検査員がマンツーマンで指導しており、認定結果は記録簿で残される。

 しかもこれだけではスバルにおいて完成検査員とは呼ばれない。認定された後に、一定期間の現場経験を必要とする。この期間は、国家資格の有無などで異なり、例えば自動車整備士の資格を持っていない場合は6カ月、同3級は3カ月、同2級は2カ月といった具合だ。現場経験の後、全員が社内の筆記試験を受け、その合格者が晴れて完成検査員と呼ばれるようになる。

 今回、監督者の監視下にあるとはいえ、自社内では完成検査員と呼ばれない段階で完成検査に従事していた。前述の完成検査要領に矛盾する。しかし、完成検査員の質をより高めるために現場経験と筆記試験を課しているものの、認定後の検査員は「独り立ちできる段階」(同社)という扱いだという。この点が、冒頭の「完成検査員のハードルが高すぎた」という吉永氏の発言につながったようだ。

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