神戸製鋼所の品質データ偽装問題が拡大を続けている。同社は2017年10月13日に東京都内で3回目の会見を開き、新たに9件の不正があったと発表した(図1)。

 10月8日に開いた1回目の会見で同社は、品質データの偽装があったアルミニウム(Al)合金製品や銅(Cu)合金製品を、約200社の顧客に出荷していると説明した(関連記事1:神戸製鋼が10年前から品質データ改ざん)。今回公表した9件の不正を加えて、出荷先は約500社に拡大した。

図1 会見に出席した神戸製鋼所会長兼社長の川崎博也氏(中央)
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 13日の会見に出席した同社会長兼社長の川崎博也氏は、前日の12日に経済産業省において記者団に対して、「11日に発表した焼結(粉末冶金)部品向けの鉄粉以外に、鉄鋼事業部門ではデータ偽装はない」と話していた(関連記事2:神戸製鋼の品質データ改ざん、今度は鉄粉とターゲット材)

 ところが、13日に公表した9件の不正のうち4件は、鋼線や特殊鋼などの鉄鋼事業部門に関するものだった。前日の川崎氏の発言と異なる発表に、13日の会見では記者団から疑問の声が相次いだ。

 これに対して川崎氏は、「鉄鋼事業部門において鉄粉以外に不正はないと述べたのは、2017年4月からの社内監査や9月からの自主点検の中では確認されなかったという意味だ。隠そうとしたわけではない」と述べた。

 しかし、鉄鋼事業部門における4件の不正は、「当社のコンプライアンス委員会や、取締役会も把握していた」と川崎氏は言う。法令違反ではなく、顧客との間で問題が解決していたため、これまで公表しなかったとする。こうした川崎氏の説明に説得力は乏しい。「知っていたのに公表しなかった」という判断は、「隠していた」と見られても止むを得ない。

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