ホンダは2017年10月4日、埼玉県の狭山工場の機能を同県の寄居工場に集約すると発表した(図1)。2021年度をめどに集約を完了する見通し。寄居工場を電気自動車(EV)をはじめとする電動車両の世界的な旗艦工場と位置づける。欧州や中国など、排ガス規制を背景にEVの開発競争は過熱を極めている。“必ず来る”EVの時代に備え、ホンダは先端設備と技術者を寄居工場に集めて生き残りを図る考えだ。

図1 記者会見に登壇したホンダ社長の八郷隆弘氏
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 「自動車は急速な技術進化とともに、過去に無い大転換期を迎えている。(他社の躍進に対して)遅れを取らないように意識する」——。ホンダ社長の八郷隆弘氏は同日都内で開いた記者会見でこう語った。ホンダが目指すのは「2030年に世界販売台数の2/3を電動車両にする」こと。全体の販売台数の中で、EVの比率は15〜20%となる見通しだ。これまでのハイブリッド車(HEV)と燃料電池車(FCV)から、プラグインハイブリッド車(PHEV)とEVに開発の軸足を移す(関連記事:ホンダ、自動運転と電動化で巻き返し)。

図2 埼玉県寄居工場を電動車両の旗艦工場に
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 2030年までの長期ビジョンの実現に不可欠なのが、生産体制の効率化である。効率を高めて低コストで車両を作り込まなければ、他社に勝る競争力は身に付かない。

 その第一歩となるのが、今回の国内生産の集約だ(図2)。国内販売の苦戦によって、ホンダの国内工場の稼働率は約75%にとどまる。寄居工場への生産集約により4輪車の生産効率を高めて、国内工場の稼働率を100%に近づける(関連記事:ホンダが狭山工場の閉鎖を決めた理由)。

 同時に、寄居工場にはEV生産の旗艦工場としての機能を設ける。構築した電動車両に対する新しい生産技術や工程改善などの知見は、寄居工場から海外の生産拠点に広げる。必要に応じて世界中から生産技術者を招き入れて、各地域の特徴を反映した生産体制を築き上げる。実際の生産と同様の状況を再現した「実証ライン」をつくることで、生産技術や工程の検討に役立てる。

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