内燃機関の滑らかな動作に欠かせないエンジンオイル。自動車メーカーの燃費競争を支えてきた“名脇役”だ。一方、電動化の波が世界中に押し寄せている。ガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトが加速する中で、ガソリンやエンジンオイルを扱う石油元売り会社は何を目指すのか。エンジンオイル開発の最前線を昭和シェル石油中央研究所所長の長富悦史氏に聞いた(図1)。

図1 昭和シェル石油中央研究所所長の長富悦史氏
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——電動化で何が変わるのか。

 (欧州や中国などが打ち出す規制により)電動化の流れは止められない。しかしエンジンオイルの需要はなくならない。

 確かに、電動化が進むとエンジンの搭載は減り、ガソリンやエンジンオイルの需要は小さくなる。しかし世界全体に目を向ければ、充電インフラが未整備の地域が圧倒的に多く、そのような地域ではこれからもエンジン車が主流であり続ける。

 ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)においても、発電にはエンジンを使う。引き続きエンジンの低燃費性の向上は重要となる。

 また、EVでもトルクを合わせるために減速機を搭載している車種が多い(関連記事:日産リーフ、モーターは同じでもトルク出力をアップ)。結果としてEVの割合が増えても、エンジンオイルのような潤滑油の需要はなくならないと考えられる。

——エンジンオイルの開発体制はどうか。

 ガソリンエンジンオイルに関しては、神奈川県愛川町の中央研究所で、大きく分けて2種類を研究開発している(図2)。ガソリンスタンドなどで販売するシェルブランド「HELIX」と、自動車メーカーへ納入する工場充填オイルや純正オイルだ。燃費向上を主な目標に自動車メーカーとの共同開発を進めている。

図2 昭和シェル石油中央研究所(神奈川県愛川町)
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