図●左から、三菱マテリアル常務執行役員の鶴巻氏、同社副社長執行役員の小野氏、同社社長の竹内氏、三菱アルミニウム社長の浜地氏
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 品質データ偽装問題で原因究明の調査を進めている最中の三菱マテリアルで、新たに子会社3社が品質データ偽装問題を起こしていたことが発覚した。三菱アルミニウム(本社東京)と、立花金属工業(本社大阪市)、ダイヤメット(本社新潟県新潟市)の3社。三菱伸銅(本社東京)と三菱電線工業(本社東京)に続いて、三菱マテリアルグループで合計5社が品質データ偽装問題に手を染めていたことになる。2018年2月8日に三菱マテリアルと三菱アルミニウムは会見を開いた(図)。

 三菱アルミニウムでは、富士製作所(静岡県裾野市)が、2014年12月1日~2017年11月30日までの3年間(同社が確認した期間)に品質不正を起こした。三菱マテリアルが実施した特別監査で発覚した。品質データを偽装した不適合品(以下、不適合品)は、アルミニウム(Al)合金の圧延製品と押し出し製品。不正の主な内容は以下の通り。

[1]品質データの改ざん
 材料物性の測定値などが顧客と取り決めた規格(以下、顧客規格)の範囲から外れているにもかかわらず、顧客規格の範囲内に書き換えた。その後、顧客に出荷した。
[2]規定外の検査
 JIS(日本工業)規格や顧客規格とは違う方法で材料物性を測定し、その値を正しい規格で求められる検査の測定値に換算した。
[3]検査の未実施
 必要な検査の一部を省いて顧客に納入した。

 不適合品を出荷したのは115社で、内訳は押し出し製品が110社、圧延製品が7社となっている。

社内通報で発覚も

 立花金属工業では、養老工場(岐阜県・養老町)が2017年1月~2018年1月までの約1年間(同社の確認期間)に品質不正を起こした。三菱マテリアルの特別監査で発覚した。不正の主な内容は以下の通り。

[1]品質データの改ざん
 材料物性の測定値などが顧客規格の範囲から外れているにもかかわらず、顧客規格の範囲内に書き換えた。その後、顧客に出荷した。
[2]品質データの捏造
 検査を実施していないにもかかわらず、硬度や引っ張り強さ、伸びなどの機械的特性の数値を記入した検査成績書を発行した。
[3]規定外の検査
 JIS規格や顧客規格とは違う方法で材料物性を測定し、その値を正しい規格で求められる検査の測定値に換算した。

 不適合品を出荷したのは307社である。

 ダイヤメットでは、本社工場(新潟県新潟市)が2017年1月1日~2018年1月31日までの1年1カ月の間(同社の確認期間)に品質不正を起こした。三菱マテリアルが設けた社内通報窓口への通報で発覚した。対象となる不適合品は、自動車用焼結機械部品など。不正の主な内容は以下の通り。

[1]検査不合格値の無視
 寸法などの測定値が顧客規格の範囲から外れた製品をそのまま出荷した。
[2]品質データの改ざん
 寸法などの測定値が顧客規格の範囲から外れているにもかかわらず、顧客規格の範囲内に書き換えた。その後、顧客に出荷した。
[3]検査の未実施
 必要な検査の一部を省いて顧客に納入した。

 不適合品の出荷先として、現在判明しているのは73社である。

認証取り消し処分が続く

 一連の品質不正問題の結果、三菱マテリアルグループでは認証の取り消しや停止処分が続いている。

(1)三菱電線工業
 2018年2月2日付で、JISの認証機関である日本品質保証機構(JQA)から、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO 9001」と、航空宇宙・防衛産業分野の品質マネジメントシステムの国際規格「JIS Q 9100」の取り消し処分を受けた。

[2]三菱伸銅
 2018年2月2日付で、JQAからISO9001の認証範囲の一部取り消し、および一時停止処分を受けた。

[3]三菱アルミニウム
 2017年12月25日付で、日本規格協会からISO 9001の一時停止処分を受けた。続いて、2018年1月12日付で、JQAからAlおよびAl合金の板および条の規格「JIS H 4000」と、AlおよびAl合金の押し出し形材の規格「JIS H 4100」 の取り消し処分を受けた。

 会見に臨んだのは、三菱マテリアル社長の竹内章氏と、同社副社長の小野直樹氏、同社常務執行役員の鶴巻二三男氏、三菱アルミニウム社長の浜地昭男氏の4人。質疑応答では竹内氏を中心に厳しい質問が続いた。

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