2017年11月21日、任天堂はスマートフォンゲームの新作「どうぶつの森:ポケットキャンプ(ポケ森)」の配信を全世界で始めた。自社IPで任天堂自身が作ったスマホゲームとしては、2016年12月の「スーパーマリオ ラン」、2017年2月の「ファイアーエムブレム ヒーローズ」に続く3作目となる。
 果たしてポケ森は任天堂にとって成功体験になり得るのか。スマホゲームに詳しい3人の識者にそれぞれ論じてもらう。トップバッターはゲームジャーナリストの野安 ゆきお氏だ。(編集部)
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 任天堂の新作スマホゲーム「どうぶつの森 ポケットキャンプ(ポケ森)」。結論から先に言うと「今の段階では正しい評価が難しい」とわたしは感じています。

「どうぶつの森 ポケットキャンプ」は任天堂の観測気球?
(イラスト:闇雲)
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 申し遅れました。野安ゆきおと申します。わたしはゲームライターという仕事をしておりまして、ゲームの中身はもちろん、その歴史上の意義を論評するのは最大の関心事の1つです。ですが、ポケ森の論評は難しい。だってこれ、任天堂が打ち上げた巨大な観測気球、惑星探査用ロケットみたいなものですもん。最大の目的はデータ収集、だから採算をさほど気にしない、そう考えないといろいろ辻褄が合わないんです。

なぜ任天堂がスマホゲームに参入したのか?

 長年にわたって家庭用ゲーム機市場のトップランナーであり続ける任天堂は、家庭用ゲーム機の市場でビジネスを成功させるノウハウを世界でもっとも多く抱えている企業の1つです。家庭用ゲームに関して任天堂と同レベルのノウハウを持つ企業は世界に数社しかないでしょう。その一方、スマホゲームへの参入が遅れたため、こちらの市場のデータは、ほとんど持っていない企業でもあります。任天堂にとってスマホゲームの市場はまるで未知なる惑星のようなものだと言えます。

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