「マスターズ(米国で開催される男子ゴルフのメジャー選手権の1つ)の優勝者は誰?」。

 「セルヒオ・ガルシアです」。ゴルフ好きでないとなかなか即答できない質問にこう答えたのは、Google Home(米Google社)。

 「東京の最低賃金はいくら?」との問いかけに、まるでこちらの意図を見透かしたかのように書籍『小さな会社の正しい給料の下げ方・人件費の減らし方』『21世紀の不平等』の購入を薦めてきたのはAmazon Echo(米Amazon.com社)。

 そして「冬が寒いのはなぜ?」という問いを愚痴と認識し、「風邪をひかないように気を付けないとですね」と、はぐらかすような寄り添うような“態度”を示したのはClova WAVE(LINE)――。日本で販売されている“三大AIスピーカー”に対して編集部が行ったテストから、3機種の明確に異なる個性が浮き彫りになった。

 その個性は、AIスピーカーを開発する各社のビジネスモデルを色濃く反映している。ネット検索を基軸とした広告ビジネスを手掛けるGoogle社の製品は何でも「検索」して調べようとするし、Amazon.com社の製品は何かとアマゾンでの「通販」に引き込もうとする。そして、国内のテキストチャットで圧倒的な存在感を誇るLINEの製品は、しきりに「雑談」を仕掛ける。

 こうした対話性能は、AIスピーカーの「肝」である。しかし、実際に使ってみないと“実力”は分からない。

 そこで今回、編集部では対話技術の専門家である日本電信電話の東中竜一郎氏(NTTメディアインテリジェンス研究所 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 知識メディアプロジェクト 知識言語基盤技術グループ 主任研究員)に協力を求め、徹底的にテストした。

 対話性能を探るためには各種の質問に加えて、雑談を仕掛けた時の応答内容を検証するのが望ましいという。具体的には、質問応答として「名称(人名、地名、組織名、固有物名)」「数量(日付、金額)」「説明(定義、理由、評判、連想)」「真偽」を、雑談応答として「挨拶・感謝・謝罪」「情報提供」「自己開示(システム自身のことを尋ねる質問)」「感情認識」について質問する。

 今回は各項目について10問程度、合計約160問の質問を編集部で作成し、同一人物が同一の質問を3台のスピーカーに尋ねる形でテストを実施した(約160問の質問詳細はこちら)。

 テストは2017年12月4日に行った。いずれのAIスピーカーもクラウド上で処理を行っており、適宜、機能やシナリオ等がアップデートされていると考えられるため、現在の挙動とは異なる可能性もあることを留意していただきたい。

 以下に、製品ごとの特徴をみていこう。

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