日経Automotiveのメカニズム基礎解説「第13回:EGR(排ガス再循環) 排ガスで燃焼温度を下げて、NOx抑制や燃費改善を実現」の転載記事となります。

 内部EGRと外部EGRを状況に応じて切り替えて使ったり、組み合わせて両方を同時に使ったりするエンジンもある。特に排気量の大きい商用車向けのディーゼルエンジンではEGRを積極的に利用している(図4)。日本のポスト新長期規制などをクリアするにはEGRの大量導入(以下、大量EGR)が欠かせないためだ。内部EGRのために吸気行程の途中で排気バルブを開くような仕組みも登場している。

図4 大型商用車用のディーゼルエンジンに採用されているクールドEGR
いすゞのシステム。大型のEGRクーラーを備え、ターボと排ガスの冷却により圧力が下がっても導入できるように、新気との混合部分にはチャンバー(膨張室)を設けて負圧を利用する工夫を盛り込んでいる。さらにターボの可変ベーンを閉じぎみにすることにより、圧力を高めて大量EGRを実現した。
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 実質的には同じ排気量でも新規の導入量が減るため、排気量を減らすことになる。ターボチャージャーが排気量を増大させるシステムとすれば、EGRはその逆のシステムと言える。可変バルブタイミング機構によるアトキンソンサイクルの実現も同様だ。こうなると、仕様で定めた排気量は単なる税法上の判断材料でしかなくなってくる。

 燃料の直噴化によって燃焼室を直接気化熱で冷却できるようになると、EGRの効果はさらに高まる。少ない燃料の潜熱を燃焼室だけで利用できれば、燃焼温度を抑えられるからだ。インテークマニホールドや吸気ポート内の燃料付着による汚れの発生が少ないことも、EGRの多用には有利だ。

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