日経Automotiveのメカニズム基礎解説「第19回:ハイブリッド車用の変速機 モーターで補助動力と回生、構造は各社で大きな違い」の転載記事となります。

 日産の「フーガ」や「エクストレイル」は、1モーター2クラッチ式を採用している。変速機の後端にもクラッチを備えるユニークな構造だ(図5)。エンジンとモーターの間にあるクラッチでHEV走行と、電気自動車(EV)走行を切り替え、変速機の後端にあるクラッチで停車中のエンジンによる発電を可能にした。エンジンに隣接するクラッチ1は、潤滑や冷却が必要な多板式ではなく、乾式の単板クラッチを用いている。

図5 日産の1モーター2クラッチ式
エンジンの背後にクラッチ1、そしてモーターに続いてATを置き、ミッションケース後端にクラッチ2を配置したHEV変速機。EV走行とHEV走行、そしてエンジンによる発電をクラッチの切り替えで実現した。
[画像のクリックで拡大表示]

 多板クラッチに比べて単板クラッチを滑らかに断続させるのは非常に高度な制御が要求される。日産はモーターのトルクもms単位でコントロールすることで、EVモードからHEVモードへの移行を滑らかなまま加速していけるようにした。後端のクラッチ2は湿式多板クラッチである。

 日産のエクストレイルに採用しているHEV変速機も横置きATをベースとしたもので、仕組みはほぼ同様だ。

ここからは有料会員の登録が必要です。