日経Automotiveのメカニズム基礎解説「第17回:ディーゼルエンジンの排ガス後処理装置 複雑な3段システムでNOxやPMを無害化」の転載記事となります。

ガソリンエンジンに比べて、NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)といった有害物質が発生しやすいディーゼルエンジン。このため、年々厳しさを増す排ガス規制を、エンジン単体の改良でクリアすることはほぼ不可能だ。重要な役割を担う、ディーゼルエンジンの排ガス後処理装置を整理する。

 内燃機関は理論上、完全燃焼した場合はCO2(二酸化炭素)とH2O(水蒸気)しか排出しない。だが、実際には高圧下で爆発的に燃焼するため、HC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)などの有害物質が副産物として生成されてしまう。

 当然、エンジン本体は燃料噴射制御や燃焼室形状の工夫、点火時期および可変バルブタイミング機構の制御を組み合せて低公害化を図っている。それでも、排ガス規制をクリアするためには、有害物質を浄化する後処理装置が不可欠な存在になっている。

 特にディーゼルエンジンは、燃料に軽油を使い、ガソリンエンジンよりも高圧下で燃焼させることもあって、NOxが発生しやすい。不完全燃焼を原因とするススも発生しやすく、これがPM(粒子状物質)として大気汚染の原因と問題視されるようになった。

 このためディーゼル車には、ガソリン車よりも複雑で高性能な後処理装置が搭載されている(図1)。コストは数十万円高くなる。これは、いかに燃料噴射の制御を高度化しても、高い熱効率によるNOxの発生、高負荷時のPMの発生は抑えられないからだ。

図1 ディーゼルエンジンの後処理装置の構成例
ターボチャージャーを通過した排ガスは酸化触媒によりHCとCO、NOxの一部を還元し、PMをDPFにより再燃焼させて浄化する。最終的に残ったNOxはNOx吸蔵還元触媒あるいは尿素SCRによって還元し、厳しい排ガス規制をクリアする。
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