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我々が“ゆるやかな主治医制”を敷くワケ

白石 吉彦氏 隠岐広域連合立 隠岐島前病院 院長

2018/06/11 09:00
増田 克善=日経デジタルヘルス

 業務や働き方を可視化し、評価することが今回の座談会の話題の一つになっていますが、評価基準をどうするかは非常に難しい問題です。

今回はSkypeでの参加となった隠岐島前病院 院長の白石氏(モニター画面右) (写真:加藤康、以下同)
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 外来部門では患者数と診療単価、診療時間などで定量的な評価ができる側面があります。しかし、非常に慎重で人の数倍の診療時間をかける医師もいれば、愛想がよくて患者満足度が高いものの、医師としての腕は今一歩と思われる人もいます。

 一方で、なかなか医師が来てくれない我々のような離島・へき地の病院では、100満点ではなく60点、70点の医師でも良いから継続して島民を診てくれることが重要でもあります。前回(第1回)も紹介したように、我々の病院では7人の医師による“ゆるやかな主治医制”を敷いています。これは、1人の医師に負荷が集中しすぎないようにして、長く勤めてもらえることも考えてのことなのです。

欠かせないICT活用

 実際、我々は44床の病院の他に、公立(国民健康保険)のサテライト診療所2施設を7人の医師で診療しています。ただし、2カ所の診療所は、月間のレセプト数が200程度であるため、1人の医師を専従とするのは非常に効率が悪いのです。

 とはいえ、2施設ともそれぞれ別の島に立地し、島民にとって欠かせない医療機関であることから週に数日の出張診療というわけにもいきません。そこで、1人の医師が通常は診療所勤務とし、夜間に病院の当直に借り出すといった方法で病院勤務医の業務負担を軽減しています。

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 こうしたタスクシェアリングを行う上では、ICTの活用が欠かせません。夜間に病院の当直に借り出した際には診療所に医師がいない状態となります。そこで、病院・診療所で導入しているWeb型電子カルテで患者情報を共有しながら、看護師や事務職員を通して最低限の対応ができるような体制を構築しています。

 離島の診療所などではそれほどクリティカルな状況が起こることは少ないから可能なのかもしれません。それでも緊急対応を経験したことのない看護師や若手の医師などは、何か起こったときにどう対応すべきか分からないことも多々あります。そうしたときに、テレビ電話やPACS(医用画像管理システム)で診療情報を共有できる環境なら、病院側の医師によるコンサルテーションが非常に役に立ちます。

 当院では数種類のPACSを導入しており、出張先からパソコンでアクセスして確認したり、テレビ電話を通じて指示したり、あるいは島外の専門医にコンサルテーションを仰ぐといった使い方もしています。

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